最近、何人かの友達(男性)が、立て続けに出家したので、出家の儀式に何度か参加してきました。
タイでは、仏教徒の男性は、「ブアット・プラ」と言って、一生の間に少なくとも一度は両親の為に出家します。
歴史的に、タイの男性は二十歳になれば、僧侶になるべきだと信じられていています。
タイでは、両親が他界した時、その息子の僧衣につかまって、浄土へ旅立つと信じられています。
また、僧侶になることで、今まで犯した過ちや悪行…仏教でカルマと呼ばれるんですけど…を悔い改め、心の平穏に辿り着くそうです。
出家を経験したタイ人男性は、社会でも一人前の男性としても認められるようになります。
出家する時は、出家式というセレモニーがあります。
寺院の外庭で早朝執り行われます。
家族をはじめとする一族が集まり、お線香をたき、静かに座って、先祖に今日息子が出家するのだと報告をします。
次に、出家する男性は、一族の中の年長者達の脚を水で洗っていきます。
椅子に腰かけて待つ祖父母や両親の脚に、順番に銀色の器に入った水を注ぎながら、敬意を表していきます。
それから、いよいよ剃髪式です。髪と眉を剃り落します。
出家する私の友人は、静かに胸の前で手を合わせて待ちます。
そして、彼より年上の家族や親戚の人々が順番に彼の前に並び、僅かの髪を切り落としていきます。
そうして、出家する彼が過去に犯した過ちを赦し、彼を待つ素晴らしい未来を祝福するのです。
こうして、一族による剃髪が終わった後に、僧侶が残った全ての髪と眉を剃り落してしまいます。
剃髪が終わるのを待って、今度は家族や親戚がまた順番に彼に水を注ぎ、頭や体についた髪を洗い流していきます。
剃髪式の最後には、ターメリックなどハーブを潰した粉を溶かし込んだ水で、彼の頭と体を拭き取るのです。
この儀式は、穢れを拭き取り、体を清めるという意味のようです。
剃髪式が終わって、いよいよ出家の為の儀式が始まります。
集まった人々全員が御本尊のある寺院の内部に入り、出家する友人は僧侶の読経のあと、同様に経文を繰り返します。
この為に彼は経典を暗記しなければなりませんでした。
そして、僧侶二人がパーリ語で質問を始めるのですが、友人はやはりパーリ語で正しい回答をしなければなりません。
質問は、あなたは人か/あなたは男性か/あなたは病んでいないか/負債はないかなどというとてもシンプルな内容ですが、前もって経典を暗記していないと回答できないのです。
彼がすべてを正しく答えたところで、この儀式も終了です。
以上の儀式は1時間もかからず済んでしまい、この後は僧侶について寺院内の別の建物に移り、友人は他の僧侶と共に高座に座って経文を唱え始めます。
その間、集まった親族が僧侶の為に食事を用意します。
高座に座り経文を読む彼は、見違えるように立派な僧侶になってしまい、こんな短時間の間に人ひとりこれほど姿や雰囲気が変貌してしまうことにビックリしました。
この日から彼は寺院で寝起きし、4か月の間僧侶として過ごす事になります。
私達、今日の彼の出家式に集まった友達同士、来月まで彼に会いに来ないことにしました。
俗世間にいる私達にしばらく会わない方が、早く寺院での生活や僧侶としての日常に馴染むんじゃないかと話し合ったのです。
彼は4か月僧侶として過ごす事にしましたけれど、この期間は出家する本人次第なのです。
そして、彼が僧侶である間は、例え家族でも仲の良い友達でも、話しかけるときは普通とは全く違う言葉づかい、態度で接しなければいけません。つまり、敬語はもとより、敬意を払うのです。
時々、出家している友達に話しかけようとして、ものすごく緊張してしまうことがあります。
友達同士の気楽は言葉づかいで声をかけてしまいそうになるからです。
出家を経験した友人は、還俗したあと、とても冷静で大人になった感じがします。本当にタイの素晴らしい伝統、慣習です。

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友人の出家の儀式
Category: タイで行われたイベント
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